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チョコレートブルー

思ったこと、考えたこと、そのまま Twitter:@mk1010_syj

NMB48河野早紀の卒業と上枝恵美加の休業が語りかけるアイドルの現実

 
4月9日(木)、NMB48チームBⅡのキャプテン上枝恵美加が、4月13日より学業専念のためNMBの活動を休業することが発表された。
 
そしてその翌日の4月10日(金)、チームN河野早紀が卒業を発表した。
 
 
この二人はどちらも、私の推しである薮下柊ちゃんと同期の3期生である。私は柊ちゃんを推すようになってから、3期生で結成された初代*1チームBⅡを箱推ししていた。同期生に囲まれて、そんな中でセンターをやっている彼女が大好きだった。そんな初代チームBⅡ時代にも、チームメンバーや同期生が数名卒業ないし活動自体をしているが、この2人の休業・卒業は私にとって、今までのメンバーの発表とは少し意味が違うものであった。
 
 
 
というのもまず、3期生、そして初代チームBⅡでセンター・エースというポジションを担っていた薮下柊加藤夕夏(かとう ゆうか)は、チームの中でも比較的年下組に入る。そして初代チームBⅡ時代に卒業・活動辞退を発表した3名は、この二人より1,2歳年上、あるいは年下のメンバーであった。学業専念を理由にチームを去っていったメンバーが多いが、皆中学生高校生のメンバーで、言い方は少し悪いが「アイドルの世界に早めに見切りをつけた」と考えられる。
 
 
対して今回休業・卒業を発表した上枝恵美加河野早紀は3期生の中で、学年だけで言えば最年長にあたるメンバーである。上枝はNMB加入後に地元の短大へ進学、河野は出身地の有名大付属高校を中退後、一年のブランクを経て関西の有名四大に進学した。高校卒業後は大学には進学せず専業アイドルとなるメンバーが多い中、二人ともアイドルの延長線上にある将来の夢を見据えて学業との両立を選んだ。大学に進学するメンバーに対して、「アイドル一本でやる自信がなくて逃げ道を作ったんだろう」という人もいるが、私はそうではないと思う。もちろん超人気メンバーはほとんど大学進学という道は選ばない。でもそれは「今現在」は物理的に本当に時間がないからで、悩みまくった結果諦めているのかもしれないし、人気がないとされるメンバーでも、進学しないメンバーは大勢いる。「アイドル」と「学業」を天秤にかけたとき、そのメンバーにとってどちらもやりたいことなのであったら、まずは両立する道を考えるだろう。両立するのもしないのも、学歴というフィルターを通してAKBの外にある社会を見るならば、実は「大変」なのは一緒で、それが今なのか未来なのかということだと思う。実際、卒業してから専門学校や大学へ改めて進学するメンバーもいる。もちろんごく一部のメンバーは学歴なんてなくても、グループ卒業後も芸能人として一生やっていけるだろう。でもそうなれるのはほんの一握りだし、それをいつまでも夢見ていられない「現実」がある。
 
その現実に本当の意味で直面したことを実感し、自分の将来を真剣に考えて選択しなくてはならないのが、加入して3~4年後、高校卒業後の18歳~20歳くらいなのだろう。大学に進学しているいないに関わらず、アイドルとしてなかなか芽が出ない「現実」に、「私の将来どうなるんだろう」と感じるのは当たり前のことだ。上枝・河野にとってみれば、同期でセンターを務めるのは年下の薮下・加藤といったメンバー、後輩も加入して選抜入りもどんどん抜かされていく。しかもAKB48Gは公演の立ち位置以外でも総選挙などで序列がはっきり晒される、ファンから見ていても本当に厳しい世界だ。そんな中、中高生でチームを去っていたメンバーと異なり、二人は「精一杯アイドルをできるギリギリ」まで続けて頑張ってきた結果、休業・卒業を選択したのだと思う。先に去ったメンバーは根性が足りなかったとか言いたいわけではなく、アイドルの世界には「陰」という名の「現実」が如実に表れている。
 
 
そして二人には共通点がもう一つある。それは「NMB3期生としてアイドルになったことが(恐らく)最後のチャンス」であったということである。様々な文献や彼女たちの発言から考えると、上枝はNMB2期生、AKB13期生のオーディション、河野はローカルグループの一員として活動後、SKE、HKTのオーディションをそれぞれ受け不合格しているという過去がある。年齢的にも「これが最後」と臨んだNMB3期生のオーディションでやっとの思いでその「ポジション」を掴んだのだと思う。そうして掴んだ「ポジション」だったが、今回河野はアイドルとしてのそれを自ら手放し、ラジオの仕事がしてみたい、とその活動に終止符を打つことを決意した。上枝は復帰を見込んでの休業という形を選択したが、それはそれでまた卒業とは違った辛さがある。休業したまま戻ってこないメンバーもいるし、戻ってきたとしても、一年後自分の「ポジション」がある保障はない。
 
 
河野は以前、「熟れないアイドル」という部分にスポットが当てられ、個人のドキュメンタリー番組が制作・放送されたことがある。そこでは、握手会で自分のレーンだけガラガラの状態が続く様子や、自分が輝けない理由がわからず思い悩む様子がありのままに映し出されていた。「もう少し頑張って、選抜された先の風景が見たい」とも語っていた。しかも河野は確実に高学歴であるし、アイドルになりたいと思っていたかったならば、良し悪しは別としてもう少し違った将来を選択できたのかもしれない。しかし舞台に立っていた彼女はどんなに後ろにいても、端にいても、本当に輝いていた。綺麗だった。
 
上枝は、初代チームBⅡをキャプテンとしてずっと支えてきた功労者だ。3期生のみで結成されたもの、「華がない」、「小粒」などと言われ、東京公演のチケットは48Gで唯一完売できなかった初代チームBⅡ。そんなBⅡを年長者としてしっかり引っ張っていってくれた。責任感も本当に強く、チームBⅡお披露目公演時には、
3期生の中で最年長の一人ということで、オーディションの最終審査の時にも「周りをまとめられる立ち場になりたいです」と言いました。「チーム」の「キャプテン」としては、まだまだ足りない事ばかりやと思いますが、自分自身、周りをちゃんと見て、チームBIIをいつも感謝の気持ちを忘れないで何事にも我武者羅に取り組めるそんなチームにしていきたいと思っています!
と語っていた。そのおかげで初代チームBⅡは本当に素晴らしいチームになれたと思うし、その向上心を忘れずにまたこの場所に戻ってきて新たなチームの魅了を引き出してくれることを期待している。
 
 
女性アイドルの寿命は本当に短い。その儚さに「美しさ」を感じてしまうのは私だけではないはずだ。二人にいつか、自分の夢を叶えられる日がくることを願ってやまない。
 
そんなことを、初代チームBⅡに秋元康先生が送った最初で最後のオリジナル曲、「アーモンドクロワッサン計画」*2を聴きながら思った。
 
 
 
 
 

*1:チームBⅡはAKB48G全体の組閣を二度経験している。初代チームBⅡはNMB3期生のみで最初に結成された、チームNチームMに続くNMB48内の3つめのチームである。

*2:この曲は本当にすごい。最初は皆で同じ夢を見ながらも、やがて一人ひとりが少しずつ別の夢に向かって進んでいく様子を描いているように思えてならない。ぜひ一度聞いてみてほしい